コロナ闘病日記

夫婦でコロナ共倒れとなった2週間の日記

Day 11

8月10日(火)

★朝
夫36.2℃
わたし 36.2℃

今日は夫の自宅療養が終わる日。このまま順調ならば。


★午前中、URさんからのワクワクお菓子便が届く。
こちらも
ゼリー飲料や
甘いお菓子
ぶどう
おかき
など
なかなか自分では買えないようなものばかりを詰めてくれていて
清太と節子が箱の前でパァッとなっていた。

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ウキウキと「なんだろうこのオシャンなものは?こんなの初めて見た」などと言っていたら、

箱の中にパルスオキシメーターを発見!
「持っていないようだったので貸します」
なんとありがたい…!!

すぐに計測
血中酸素濃度
わたし 97-99%
夫 91-93%

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あれ…
夫がやけに低い…
低すぎないか…

90台前半になってきたら気をつけなければならないとテレビでやっていたのを思い出す。

何度測り直しても どんな体勢でも91-93。
深呼吸をするとようやく一瞬だけ94。

すぐにかかりつけ医に連絡してみたら
また今日もめちゃくそに機嫌の悪い先生が
「それは病院の管轄ではないから保健所に連絡して」と。
はい、わかりました(けど怒らないで)。

しかし体調の変化があった場合は保健所へ、と言われていたのを忘れていた。

保健所へ連絡。
保健師さんも慌てている様子。
「それは低いですね。
一旦 考えます。
折り返し電話をお待ちください」


しばらくして折り返し電話あり。

「今 診てくれる病院を探していて、返事待ちです。
もしかするとそのまま入院ということになるかもしれません。
返事待ちの今のうちに持ち物の準備をしておいてください。まず、下着、洗面具、スリッパ、…」

また一旦電話を切る。

何でもなかった人が あれよあれよのうちに容態が…というニュースが頭をよぎる。
夫は寝かせ、黙々と入院の荷物をまとめる。

URさんからの送り物のお菓子と、おかきと、冷蔵庫にあったフルーツジュースを袋に入れて
バッグの中に突っ込んだ。
入院中に食べたくなったら食べられるように。

また電話が鳴る。

「T病院で診てもらえることになりました。
運転中気を失ったりするとよくないので、
やむを得ません、具合もよくないと思いますが、
人に会わないように外へ出て車の運転は奥さまがお願いします。
すぐに出発してください」

入院バッグを持って外へ。



ここで大事なこと。
昨日訪ねてきたお隣さんに出くわすことだけはマズい。
絶対にあってはならない。
「あら?濃厚接触者で自宅待機中では?」となる。
なんでそんな大荷物で外へ出てるの?と。
そんなの…サイアクだ…サイアクだよ…
嘘が嘘を産んでしまう。
あぁ、小さくても嘘はイヤだな。


マンションにはエレベーターが2機ある。
偶数階用と奇数階用。
夫とわたしは非常階段をそっとそっとワンフロア降りてゆき、
ひとつ下の階の奇数階エレベーターを使って1階まで降りた。

これでエレベーターでご近所さんやお隣さんにバッタリ出くわすということは避けられる。

エレベーターを降りる前にちょっと覗いたけど知人はいない。
人とすれ違うまで息を止める。
コソコソと素早く
でも夫が息切れをしないようにゆっくり駐車場まで歩いた。

久しぶりの外の景色がまぶしく目が痛いほどだった。


病院まで20分。
病院の救急車が停まっている駐車場へ来るように言われていた。

駐車場で待つ間トイレに行きたいという夫。
なんで家で行ってこなかったの。
今や許可なくトイレにも行けない清太なのに。
ガマンして。

看護師さんがパルスオキシメーターと体温計を持ってきて測ってくれた。
「酸素濃度 96%」
「体温37.2℃」
どっちも少し上がってるるるるるー
よかった!よかったの?


駐車場の車の中で待機中 手を握り何度か
「絶対に生きて家に帰る!ね!」
「うん、わかった」
というやり取りをした。

また看護師さんが呼びに来てくれ、診察を受けに夫は車を降りていった。
これが姿を見た最後でした、となる人が、沢山いるんだろうな。
あんな約束をしたけど夫とだって最後かもしれない。
人間てあっけないな。
そしてトイレ行かせてもらえるといいね。

車で待つ間、相当に容態の悪いらしいコロナ患者さんが
2人ほど専用の車から降ろされ運ばれてゆくのを見た。
あんなになるまで 入院すらできなかったなんて…
心細かったことだろう
ご家族も心配しておられるだろう…これが自宅療養の実情か…
ひどいな…
涙が出そうになる。
1日も早い回復を祈ります…


わたしも体がしんどくなってきた。
1時間半ほど待った頃 夫が車に戻ってきた。

「大丈夫だった。レントゲンも血液検査も酸素濃度も。
機械の差やタイミング、測り方に原因もあったのかもしれないって。
コロナはもう治っているって言われた。」

えー!すごい!
よかったー よかったねー!
入院バッグは嬉しくもムダとなった。

夫はまだトイレに行っていなかった。
言い出せなかったらしい。
大人なのに。
途中 どこかに寄ることもできないので家に帰るまでガマンしてもらう。

帰りのエレベーターも人がいないことを確認し奇数階用を使おう。

もしマンションの知りあいがエレベーターホールにいたら、
スマホを耳にあて、会話中のフリをしながら通り過ぎて立ち話を回避!
とイメトレしていたけど運良く誰にも会わなかった。
いや、ひとり女性がエレベーターホールにいる夫を見て素通りしたらしく
軽くショックを受けていたがそれでよかったんや…
女の人は知らん男と同じエレベーターに乗るのはちょっとした恐怖なんやで。

乗ったエレベーターの中では息を吸うだけで、吐く息は止めた。

一番避けたいお隣さんにも出くわすことなく無事家についた。




外に出られることが嬉しいと思うかと思ったがそうでもなかった。
緊張ばかりしていた。
駐車場から家までは脚が動かなすぎてビックリした。
重りでもつけてるみたいだった。
家についてとてもホッとした。



★URさんに一連のことを報告
「要らない物を送って心配をかけちゃったねぇ、ごめんね」
と何度も謝るURさん。

違うの、借りられるものなら初日から保健所から借りて毎日測ってたはずなんだ。

もちろん心配もしたけど
むしろ、転じて 治った、大丈夫とお墨付きをいただけたの、これは本当によかった。
これで夫の自宅療養が終わるのか~!

家に帰ってまた測ってみたら、やはり夫は91-93と低いままだった。(わたし98)
理由がわからないけど、検査でも大丈夫、息苦しさもない、だから大丈夫、そう思っていよう。


★玄関の呼び鈴が鳴る。
郵便配達員さんだった。
「書き留めです」
サインか印鑑が必要だから
扉を開けないわけにいかなくてマスクをして夫が対応。

義父ちゃんからだった。
封を開けたら、じゅ、15万円が入っていた。
お見舞いのつもりで送ってくれたんだ…!

電話をかけると
「2人とも仕事に行けなくて困ってるだろうと思ってね。僕にできることはこういうことしかないんだよ。」
こんなにたくさん…義父ちゃんありがとうね、とても助かります。

ありがたすぎて使うことが出来ない。
今度外に出られるようになったら銀行に入れようということになった。
コロナ禍が過ぎたら、義父ちゃんとの旅行やお出かけや食事で、使わせてもらおう。




Amazonから米とトイレットペーパーが届く!

★米が届いて早速炊こうと思ったけど疲れすぎて動く気になれず。

URさんからのオシャンなゼリー飲料と、KYさんからの愛の大盛りじゃがりこを夕飯にした。
たまには ご飯作らなくたっていいよね

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★夜 夫 36.3℃
わたし 36.3℃